冬の終わりに咲いた花
その週の日曜日
私は例の件で学校の近くの駅に向かっていた
インドアの私にとってあまり乗り気ではないけどデートはデートだから白いワンピースに髪もゆるく巻いてきた
「雫ちゃぁぁぁぁん」
向こうでひなが腕を振っている
それを見て私も小走りでそっちに向かう
「ごめんね、待った?」
「ううんみんな今来たところ」
そして私達は近くのショッピングモールに向かった
大体予想はしていたけど中学の頃からずっと付き合ってるひなとゆうちゃんは安定のバカップルぶりで
2人でべったりだったから結局その子と一対一で遊んでる感覚だった
永田亮太くん
それが彼の名前だった
大人っぽくて控えめでザ・男の子のゆうちゃんとは真逆だと思った
多分この子も私みたいに押されてここまで来たのだろう
話しているうちに最初は遠慮がちだった2人も気がつくと驚くほど仲良くなっていた
亮太にはずっと前から友達だったみたいな感覚を抱いていた