居場所をください。
「へー、ほんとにうまいんだな。」
と言ったのは貴也。
「貴也がほめるなんて。」
「どういう意味だよ。」
「デビューが楽しみだな。」
「ありがと、隼也。」
よかった。なんかちょっと自信ついたかも。
貴也もほめてくれたし。毒舌だから。
「美鈴喉乾いた。」
といったのは隼也。
「子供ですか。
何が良いの?」
「烏龍茶。」
「俺も。」
「はいはい。」
私はフロントに烏龍茶2つと
ほうじ茶を頼んだ。
「ほうじ茶って。年寄りかよ。」
というのはもちろん貴也。
「いいじゃん。おいしいよ。
ほうじ茶をばかにしないで。」
全く。
「今さらだけどその店長さんは
言いふらすような人じゃないよな?
俺らが来たこと。」
「隼也、心配しすぎ。
経営者が客のこと言いふらしたりしないよ。
そこらへんは絶対大丈夫。」
「ならよかった。」