居場所をください。
23:45…
「……………あ!」
「なんだよ、急に。」
やばい、忘れてた。
もうすぐ終わっちゃうじゃん。
私はクローゼットから紙袋を取りだし
「はい。
誕生日おめでとう。」
貴也にプレゼントを渡した。
「さんきゅ。
開けていい?」
「うん、どーぞ。」
私が返事をすると
貴也は箱を開けた。
「キーケース…
さんきゅ、大事にする。」
そういって貴也はお財布のなかに入っている
鍵たちを早速入れ換えた。
そう、この人はお財布のなかに鍵をいれてるのだ。
実家の鍵に、貴也の部屋の鍵に
私の部屋の鍵。
「鍵の位置も私は右側だね。」
「ほんとだ。無意識。」
そんな貴也に笑みがこぼれるよ。