居場所をください。
「あれ、新しい?」
「あぁ、貴也は初めて見るか。
これ誕生日にもらったの。
佐藤さん…から。」
あぶない。咲さんの名前出すところだった。
「…佐藤さんかよ。」
「うん。」
「……………俺があげたやつつけてる?」
「当たり前じゃん。
いつもつけてるよ。」
「そ。ならいーわ。」
なにが?うーん…。
「つーか前髪つけねーの?」
「持ってないの。
今日レッスンと打ち合わせだけだしさ。
必要ないか~。と思ったらばらしだし。
打ち合わせも長曽我部さんとさっき済ませちゃったし。」
「レッスンばらしとか本当珍しいな。
まぁ水木先生は忙しいらしいしな。」
「でも仕事ばらしよりは全然いいけどね。」
「だな。仕事なくなる方がきついな。」
「貴也はないでしょ。」
「そうでもねーよ。
2時間ドラマとか仮がばらされること
普通にある。」
「へー、貴也でもあるんだ。」
「すげーハードなときにバラしになっても
打撃はないけどな。
むしろ嬉しい。」
「はは、そうだね。」