居場所をください。



私は階段を降りてセットへ向かった。


「た、貴也…。」


「なんで俺まで。」


ですよね…。


「美鈴、さっさとパーカー脱げ。」


長曽我部さんが私に近づいて言った。


「えぇ…。」


「脱がねーと撮れねーだろ。

さっさと脱げ。」


私は渋々パーカーを脱いだ。


「うん、さすが佐々木が選んだ水着だな。

きれいに盛れてる。」


そう、今回の衣装はまさかの水着。


いや、夏だけどさ。

発売日夏だけどさ。

海が良いって言ったけどさ。


なんでよりによってビキニなんですか。



「……………それ、本物?」


私の胸を見て貴也が言った。


「失礼な!本物です!」


盛ってはいるけどさ。


「ま、そんなことより撮るぞ。

二人ともこれ。」


私たちはMVでも使った指輪をはめる。


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