居場所をください。
悩み。
それから毎日仕事、レッスン、貴也尽くしで
あっという間に18日、高橋の誕生日だ。
個室のある焼肉屋を19時に予約した私は
18時過ぎに会社を出て、タクシーで渋谷へと急いだ。
15分後ー
どこだー?
季節は梅雨真っ盛り。
じめっとした空気にどんより雲。
雨はふってはいないものの
テンションは上がらないこの天気。
そして高橋のあの明るい金髪も
渋谷では全く目立たない。
「美鈴!」
私がうろうろしていると
横から声が聞こえた。
「やっぱあれだな。
すっかりもうオーラが違うわ。目立つ。」
「え、そう?
ってか高橋一人?
夏音も連れてくるかと思った。」
「あー、いや
まぁ夏音の話もあったし今日は連れてこなかった。
しかも飯食って遅くなったとか
あいつんちだめだし。」
「あぁそうだね。」
夏音の親は過保護だ。
高橋との交際も賛成されていないとか。
あのお兄さんだけは味方でいてくれてるみたいだけど。