居場所をください。
「はい、好きなのどーぞ!
誕生日のお祝い!私の奢りだから
気にせず食べてね!」
席につくなり、高橋にメニューを渡した。
「……………すげー高そうだけど…
いいのかよ…。」
「そんなの気にしなくていいから!」
周りの目、店員の目を気にしなくていい店は
ランクを上げないとなかなかうまくいかないから。
「一体いくら稼いでんだよ…。」
そう言いながらメニューを見る高橋。
「……………本当にいいわけ?」
「本当にいいって!気にしすぎ!
誕生日くらいたくさん食べなよ。」
全く。
それからやっと高橋は注文した。
「で、話って?」
「夏音さー、すげーモテるんだよ。」
「うん、知ってるけど。」
「夏音天然だから気づいてねーし」
「うん、知ってるけど。」
「なんつーか
男と二人で平気で帰ろうとするし
誰にでも優しいし
なんつーか…」
「誰かにとられそうで怖い、ってこと?」
「まぁ。
とりあえず毎日イライラしてやばい。」
「嫉妬しまくってると。」
「そう。」
「でもさぁ、それ本人に言わなきゃ解決しなくない?」
「そうなんだけど…言っても効果ねーんだよね。」
「ふーん。」
「どうにかなんねーのかなー。」
「うじうじして気持ち悪い。」
「おい。」