居場所をください。
「たぶんね、隠し事してるんだよ。
ずっとね。
1ヶ月以上前からそんな気がしてた。」
「そんなに?」
「なんだかはわからないんだけど
たぶん私のマネージャーも社長も
貴也の友達も隼也も…みんな知ってる。
みんなして誤魔化す。
そんな気がしてるんだよね。
いつか話してくれるだろうと思って
私からはなにも言わないようにしてるんだけど
いつまでたっても話してくれないから。
私、そんな頼りないのかなーって。
みんな知ってるのに私だけ知らない。
それがすごく寂しい。
そばにいても孤独を感じるの。」
「……………俺にはわかんねーけど
でも大事だからこそ言えねー話とかあるんじゃね?」
「大事だから?」
「お前の父親と兄貴だって
美鈴のことを想って黙ってたんだろ?
美鈴のため、自分のために。
大事だからこそ、そういうのあるんじゃねーの?」
「……………そうかな。」
「そうだよ、たぶん。
少なくとも松野貴也はお前に夢中だと思うけど。
俺と二人でいたところを見たあの時のあいつの目
完全に俺を敵対視してたしな。」
「……………そっか。」
「ま、肉でも食って元気だせよ。
いつか言ってくれるだろ。
いつかわかるときが来るよ。」
「ありがと。」