居場所をください。
「ただいま。」
私が帰宅し、いつもの習慣で貴也の靴を確認し、
リビングへと入った。
「遅かったな。」
「話が止まらなかった~。
それに高橋タクシーで送ってきたから
ちょっと遅くなっちゃった。」
私は貴也の隣に座る。
「ずいぶん元気だな。」
「うん。なんか元気もらえたかも。」
「ふーん。」
「……………貴也?なんかあった?」
「…別に。
鈍感な彼女だと苦労するなと思っただけ。」
「は?私が…?」
「他に誰がいんだよ。」
「鈍感じゃないし!」
「ふーん。」
「…貴也ってなんにも言わないよね。」
「鈍感じゃねーなら言わなくてもわかるだろ。」
「わかんないよ!
…貴也が怒ってることだって
貴也が私に隠し事してることも。」
私がそういうと貴也は黙った。