居場所をください。



そして私は自分の楽屋へ戻ってきた。


「藤澤怜太、女癖悪いから気を付けろよ。」


楽屋へ入るなり、長曽我部さんが言った。


「へー、そうなんだ。

あの笑顔は作り物?」


「どうだろな。

でも女を落とす道具のひとつだな。」


「私は大丈夫だよ。」


「まぁ俺も美鈴があんなのに

落ちるとは思ってないけどな。」


なんたって貴也にベタ惚れですから。



「そういえば、貴也はもうマンション?」


「知らねーよ。」


「聞いてよ。」


「自分で聞けよ。」


「あぁ、そうだね。」


私は貴也に電話をした。


『もしもし?』


「あ、貴也?もうマンション?」


『そうだけど。』


「Sステ見る?」


『見るよ。

あ、愛翔に会ったか?』


「うん。」


『藤澤怜太には気を付けろよ。』


「さっき長曽我部さんに言われたばっかり。

大丈夫だよ。」


『ま、長曽我部さんが近くにいるなら

大丈夫だろうけどな。


しっかり歌ってこいよ。俺見てるから。』


「うん!

これ終わったら帰るから

22時頃帰るよ。」


『了解。』


「じゃあそろそろ前室いかなきゃだし

またね。」


『頑張れよ。』


それだけいって私は仕事モード。



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