居場所をください。


……………っ!


目を閉じた瞬間

唇に触れた暖かいもの。


私は驚いて目を開けると

目の前には微笑んだ貴也。


「寝んの?」


「え…寝ないの?」


「いや、寝るけど。」


なんなんだ!!


「もう少し起きてろよ。」


どっちなんだ!!


「……………寂しい?」


私が冗談半分に聞くと


「寂しい。」


随分と素直に答えた貴也。


「じゃあ貴也が寝るまで起きてる。」


「おう、そうして。」


甘えたのさみしがりかっ!

ほんと、たまに可愛いよね。

演技なしで。

顔に似合って可愛いです。


「好きだよ。」


「なんだよ、急に。」


「言いたくなったの。」


「……………俺も。」


「好き?」


「言わせようとすんなよ。」


「言ってくれないから。」


「……………ったく。

好き。俺も好き。すげー好き。

わかったかよ。」


「……………ふふ、可愛すぎ。」


「二度と言わねぇ。」


「えぇ!うそうそ!撤回!」


「ったく。

お前としゃべってると寝れねぇ。」


「じゃあ寝るね。」


「俺が寝るまで寝ねーんだろ?」


「もー、どっち。」


「寝んなよ。」


結局甘えた貴也さんのおかげで

私たちが眠れたのは2時過ぎだった。



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