居場所をください。
歩くこと数分
無事会社に到着。
「はぁー、涼しいー。」
「はいはい。」
今日は打ち合わせから。
涼しいし幸せだ。
夏はロケとかしたくないな。
「ってか新曲の歌詞、まだなわけ?」
「うぅ…。」
「もう明後日からお盆だぞ。
盆前に出せつったけど。」
「書きたいことがあってまとまんないんだもん。」
「期限は明日だからな。」
「はい…。」
余裕だったはずの次の曲の歌詞は
貴也がいなくなったことで
メンタルがやられ過ぎて全く進まなかった。
書いても書いてもマイナスの曲にしかならなくて…
貴也の帰ってこない部屋にもやっと慣れた。
靴箱を見ることもなくなった。
貴也が来る前と変わらず生活ができるようになった。
「今日は早く終わるし
早く帰って歌詞考えまーす。」
「歌入れまであと一ヶ月ちょいだからな。」
「はーい。
ってかこの世界に盆休みとかあるの?」
「あるやつはあるけど
少なくとも美鈴にはない。」
「ですよね。うん、わかってた。」
「でもいつもよりは空き時間はある。
墓参り、行ってこい。」
「長曽我部さんは?」
「俺は行けねーよ。
しかも来てほしくないだろ。」
「それは知らないけど。」
「いや少しはフォローしろよ。」
「嘘はつかないよ。」
「いや、嘘じゃねーかもだし。」
「意味わかんないよ。」
「お前が言い出したんだろ。」
「打ち合わせどこ?」
「第三会議室」
「りょーかい。」