居場所をください。
空腹で猛暑の中、
私は必死にその集団を追った。
追い付きたいのに追い付かない。
すべてはこの暑さと空腹のせいだ。
……………あと長曽我部さんの
車のパンクのせいだ。
なんてタイミングなんだ。
そんな文句を頭の中に並べて追いかけていくと
その集団は大きな倉庫のような建物に入っていった。
……………ここ?
勝手に入っていいの?
……………まぁいいや。
暑いし入っちゃえ。
私は構うことなくドアを開けた。
中には大勢の人。
当然だけど私に集まる視線。
その一番奥に見える金髪の長い髪。
いつからあんたはそんな髪にしたの。
……………人のこと言えないけど。
私は構わず歩き出した。
静かになった倉庫内に
私のヒールのコツコツという音だけが響く。