居場所をください。
「隼也!」
貴也のことを考えていて
すっかり気分が落ちた頃
隼也の名を呼ぶ可愛い声。
「あ、愛華!」
へぇ、あれが彼女か。
……………うん、まぁまぁ。
でもギャル。というよりキャバ嬢?
髪が巻かれてて明るい色で
爽やかボーイの隼也とはいまいち合わない。
高橋と夏音の逆バージョン的な感じだ。
「美鈴、彼女の愛華(あいか)。
愛華、こっち歌手の五十嵐美鈴。
知ってる?」
「うん、もちろん。
ごめんね、私たちなんかに付き合わせて。」
おぉ、思ったよりいい子かもしれない。
「ううん、邪魔してごめんね。」
私がそういうとニコッと笑った。
「とりあえず行くか。
愛華、どこ行きたい?」
「東京って小学校の修学旅行ぶりだし
よくわかんないからどこでもいいよー。
隼也のよく行くとことか。」
「俺のよく行くとこねー…。」