居場所をください。
「あ、そうだ。
栞奈~。いっぱい持ってきた。」
私はリビングの入り口に起きっぱなしだった
紙袋たちを1つずつ運んだ。
「ったく、持ってきすぎだろ。」
そんな様子を見て手伝ってくれる亜樹。
おかげで1往復で済んだ。
「ありがと。
えっとねー、こっちが化粧品。
めっちゃあるから藍子もよかったらどーぞ。」
「えー!めっちゃ助かるー!
やっぱ持つべきは友だね。」
「調子よすぎ。
で、こっち服。痩せて着れなくなった服とか
撮影のために買って着なくなった服とかあるし
適当にほしいのあったらもらってって。
残りはどっか寄付しちゃうし。」
「美鈴の服とか細すぎて着れない。」
「私も。」
「えー、大丈夫だよ。
痩せる前のもあるし、しかもそこまで細くないし。」
「いや、細い。
なんなのその脚。」
といいつつ、なぜか私の服をめくり
お腹を出す藍子。
「ちょ、なにしてんの!
男子いるし!!」
「別にいいじゃん。
しかも前にみんなで颯太んちいって
美鈴の水着姿、全員見てるし。」
「は!?え、嘘!」
「しっかり見たよ~。
小さなおしりも、くびれたお腹も
意外とある胸も~。」
「悠斗、声に出さなくていいから!」
めっちゃ恥ずかしい。
あれは絶対知り合いに見てほしくない。