居場所をください。
結局俺は美鈴のいいなりで
オムライスを運んだ。
みんなを呼びにいったのは藍子と颯太。
颯太だけだと女の部屋行けねーしな。
で、俺は最後の一個が出来上がるのを待っていた。
「美鈴ってさー、松野貴也のどこがいいの?」
「どこって言われてもねぇ。
まぁ遠慮しなくていいところかな。
隼也は初めて会ったときすごい芸能人扱いしちゃったけど
貴也は全然で。まぁそういう気軽なところ。」
「じゃあなんで俺はだめだったわけ?」
「はぁ?今さらそれ?
まぁ朔也はそもそも話したこともなかったし
名前も知らないくらいだったし
……………しかもあれじゃあねぇ…。
逆になんであんなキョドってたの?
今と全然違うじゃん。」
「告白のときくらい、俺もキョドるわ。」
「貴也はそういうのもなかったから。
自信満々?でもないかもだけど……………
告白する前にいきなりキスしてきたしね。」
「は!?」
「まー思いっきり拒否しちゃったけど。
そういう積極的なとこもね。」
……………あいつ、意外と度胸あんだな…。
さすがにコクる前にキスは無理。