居場所をください。
「その後彼女とは?」
「それから一回だけ連絡が来て
"一緒に東高行こうね"ってだけ。
だけど、彼女は受験当日にも来なかったし
東高にももちろんいない。
しかも勝手に引っ越す始末。
俺は置いてかれた。」
「…守られなかった約束と共に…。」
「結局その程度だったんだろうな。
約束なんて。
…俺、お前の曲聞いたけど
結局親は迎えに来なかったんだろ?
親に捨てられて、
今度は彼氏に置いていかれて
なんでそこまで信じられるわけ?
彼氏と親を。」
「信じられるんじゃない。
信じたいの。
信じてなきゃ私はまた
感情のなくした人形になるだけだから。
信じたいっていう勝手なわがまま。
でも願いでもある。
迎えに来てって。
お母さんは迎えに来てくれなかったけど…
迎えは来たから。
長曽我部さんでも全然嬉しいし。」