居場所をください。
「なんか今日の貴也は優しいね。」
私はおとなしく送られることにした。
「はぁ?」
「学校でも助けてくれたしさ。」
「あれを見て見ぬふりするほど冷たくはない。」
「でも、ありがとね。」
「はいはい。」
絶対照れてる。絶対照れてる!
かわいいとこあるじゃん。
「マンションついた。」
「うん、ありがと。
撮影頑張ってね~。」
「お前もな。」
「ありがと。じゃあおやすみ。」
私はそういってタクシーを見送った。
私が部屋に入るとすでに長曽我部さんがいた。
「美鈴遅かったな。もう0時だぞ。」
「貴也とご飯いってた。」
「は?二人で?」
「うん。たまたまあったの。」
「へー、貴也がな。珍しい。」
うん、私もそう思った。