居場所をください。
「あ、その子には私と会ったこと
内緒してもらえるかな。」
「わかりました。
俺だけこんないい思いしてるなんて
他に言えませんけどね。
俺の回り、結構美鈴ちゃんファン多いんで。」
「えー、うれしいー…。
私にも少なからずいるんだねぇ…。」
「めっちゃいますよ!」
「ふふ、ありがと。」
「あ、俺んちここらへんなんで、
ここで大丈夫です。」
「家の前まで送るよ?」
「や!古いんで…美鈴ちゃんに見られるの恥ずかしいんで!」
……………なんだそれ。
「そっかぁ。
それじゃ話し相手になってくれてありがとね。
また文化祭で。」
「あ!後夜祭来るんですよね!
めっちゃ楽しみにしてます!」
「ありがと。
それじゃ気を付けてね。」
「ありがとうございました!」
そういって小林くんはドアを閉めて
私たちの車を見送った。