居場所をください。



「後夜祭でさ、告白大会ってのがあるんだけど

今年は施設の栞奈って子が、今の小林くんに

告白予定なんだよね。」


小林くんを送ったあと

私は長曽我部さんに言った。


「へー。

もしかして両思い?」


「うん。

でも北海道に行っちゃうなら

なんだかなぁって…。」


「ばかじゃねーの。

離れるからこそ言わなきゃじゃん。」


「でも会えなくなるんだよ?」


「でも付き合ってればいつか会えるだろ。

離れても、関係が保たれれば約束はできる。

会えなくなるからこそ言わなきゃだろ。

じゃなきゃ、絶対後悔する。」


「……………なるほどね。

でも栞奈は親に置いてきぼりにされたから

…小林くんは自分の口で伝えてほしいな。

離れること。」


置いていかれることは私たちにとって

トラウマでしかないんだ。


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