居場所をください。



「亜樹は?」


藍子が言った。


「亜樹なら学校違うし、いいじゃん。」


「連絡先知らなーい。」


前に聞いたのに、亜樹はスマホを変えたらしく

番号も変わったらしい。

しかもそれを朔也から聞く始末。


「番号教えるからかけてみたら?」


「あ、うん。教えてー。」


私は藍子から亜樹の番号を教えてもらって

早速電話を掛けた。


『プルルル…プルルル…プルルル…

誰。』


いや、もしもし?とかないわけ?


「美鈴。」


『あぁ。なんで番号知ってるわけ?』


「藍子に聞いたから。」


『で、用件は?』


「10月29日夕方暇?」


『暇だけど。』


「やったね!

ね、映画いかない?

チケット2枚あるんだよね。

みんな忙しくて行ける人いないんだよね~。」


『飯奢りなら行くわ。』


「やったー。じゃあ行こ。

16時くらいに仕事終わるからそのあとだけど。」


『じゃああの喫茶店にいるわ。

お前の事務所の近くの。』


「はーい。忘れないでね。」


『はいはい。

じゃーな。』


「ばいばーい。」


よし。これで映画はよし、と。



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