居場所をください。



「亜樹、いいって?」


「うん。

まぁ岳人たちがいないなら

暇なんでしょうね。」


とりあえずよかった。

隼也からもらったチケットも無駄にならないし。


「よし、とりあえず歌詞にとりかからないと!」


私は紅茶を一口飲んで

パソコンに向き合った。


…やっぱりここのことだよなぁ。


んー。


……………それにしてもここは賑やかだな。

前にも増して…。


いいよなぁ、ここ。

あんなに嫌いだったのに。

大嫌いだったのに。


"疲れた体で冷えきった部屋のドアを開ける

ずっと孤独で生きてきたと思っていたのに

私はまた独りを実感するその瞬間が嫌い"


"どうしてだろう

二度と帰りたくなかった場所に

今は少し帰りたくなってるよ"


"もう二度と手に入らないそれを

私は欲しくてたまらない

誰にわかってもらえなくても

想ってるのは自由だよね"


ね。


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