居場所をください。



「美鈴って学校行ってんの?」


ようやく歌詞を考え始めた私に

岳人が聞いてきた。


「なんかそれ誰かにも聞かれたけど

最近は全然行ってないかな。

14時には授業も終わるし

最近はあんまり暇もないかも。」


「ふーん、それでいいわけ?」


「一応課題とかテストはあるけど

すごい簡単だから。

卒業は普通にできると思う。」


「ふーん。」


「みんなライバルだから

すごい居心地悪いんだよね。

私なんて下積みなしでデビューしてるし

すっごい妬まれてていっつも絡まれるし。

友達がいない私にとっては苦痛でしかないよ。」


貴也は来てないだろうし

隼也はすごい忙しいから来てないだろうし。


勉強も遅れてて行かなくてもわかるし。


"ブーッブーッブーッ"


「誰、スマホ。」


「あ、私だ。」


"着信 長曽我部さん"


「はいはーい。」


『お疲れ。俺ちょっと仕事できたから

美容院タクシーで行って。』


「あぁ、了解でーす。」


『遅れんなよ。

あと今施設だよな?』


「うん。」


『ならいいわ。

美容院終わったら俺のマンションへ帰れ。』


「え、なんで?」


『それはまたあとで話すから。

あー、あとテレビ見んなよ。』


「は?」


『そんだけ。じゃあ俺急ぐから。』


……………なんだ?


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