居場所をください。



それから美容院で髪の毛を変えた私は

ご機嫌で長曽我部さんのマンションへ戻り、

ご飯をつくって長曽我部さんの帰りを待った。


「おう、ちゃんといるな。」


「あ、おかえり。

もう勝手にお風呂も入ったから。」


「これ、明日の美鈴の着替えな。」


「あぁ、マンション寄ってきたんだ?

……………マスコミ、来てた?」


「もう知ってたのか。」


「うん。友達から。

長曽我部さん、話聞きに行ってたんでしょ?」


「あぁ。」


「私は平気だから。

貴也のこと信じてるもん。

たとえ事実だったとしても…

受け入れるって決めてるから。

でも、貴也の言葉を聞くまでは

あれを事実だとは思わない。」


「…貴也はきっぱり否定してた。」


「そ。ならよかった。」


「母親の病院に付き添ったときに

ばったり会ったんだってさ。

それで親のことがバレてしつこいんだと。

家にも来たらしいけど親が突き返したって。

そんなところを誰かに見られて誤解されたら

傷つくのは美鈴だからって。


それからは貴也の親にばれないように

病院の日に待ち伏せされるんだと。」


「でもなんで病院の日バレてるの?」


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