居場所をください。



「俺もそれが気になって調べたら

大橋加奈の従兄弟がそこの医師で、

まぁ情報を流してるんだろ。

最初のばったり、ってのも怪しいだろ。

健康体のあいつが病院ってのも変だし

あいつが貴也の実家を知ってんのも変だし。」


「医者がそんなことしていいの?」


「ダメに決まってんだろ。

つーことで貴也にはそれを話して

病院変えさせるか……………ただなぁ…。

あそこにはいい医師もいるみたいだし…。」


「貴也が決めることだよ。

それで噂に尾ひれがついても

事実はちゃんと私が知ってるし。


彼女は私だし、私は堂々としてるよ。」


私は私のまま、貴也の彼女のまま

ここで帰りを待つって決めたんだ。


「あ、そうだ。

貴也に私のこといちいち話さないでね?」


「なんで?」


「私が聞いてないんだから不公平じゃん?」


「あっそ。」


いや、興味もってよ、そこ。


「でも、大橋さんって

本当に貴也のこと本気だったんだね。」


「どうだろな。

売れてねーし売名じゃねーの。」


「えぇ。でも前私のMV出したじゃん。」


「まぁあいつの演技力は否定してねーし。

なのに安いから。」


安いからって……………


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