居場所をください。



俺は病院につき、担当医と約束の時間に会い、

訪問診察をお願いした。


金はかかるけど…今後の事も考えたら

母さんも絶対楽だしな。


さてと、スーパーでも寄って帰るか。

…って俺完全に主夫だな。

まぁこれが今の俺の仕事だけど。


「貴也くん。」


…チッ


「またお前かよ。つーかなんでまたいるわけ?

お前どんだけ暇なんだよ。仕事しろよ。」


俺のもとにまた来た大橋。

ほんっとこりねーな。


「お前のせいで変な噂流れるし本当に迷惑。」


「…だって、そうしないと

私、仕事もらえないから。」


「は?」


「知ってるでしょ?うちの事務所のこと。

こうでもしないと仕事回してもらえないし

とってきてもらえないの。」


「じゃあ俺に近づいてんのも売名か。」


「それだけじゃないけどね。」


「まじでむり。

二度と俺の前に姿見せんなよ。」


「ちょっと待って!

付き合ってるふりでいいんだけど。」


「は?」


「お願い!じゃなきゃ私、また社長と…」


「知らねーよ。

俺はお前のために好きな女傷つけるほど

あほじゃねーっつーの。

そんな事務所に誘われて入った方が悪いだろ。

俺には関係ない。巻き込むなよ。」


あー、ほんとだりー。

帰ろ。


< 1,397 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop