居場所をください。
「それじゃもう強行手段しかないじゃん。」
……………は?
「どういう意味…
……………っ!」
振り返ると大橋の顔は目の前にあって……………
「…っなにしてんだよ!」
「なにってキス。」
「……………いい加減にしろよ。」
あぁ、こいつ殴りてー。
「そんな怒んないでよ。
女の子に手あげたら
人気落ちちゃうよ?」
「てめーのせいで十分落ちてるわ。」
本当に付き合ってられねー。
構ってたらどんどん流される。
俺は早足で家に帰った。
……………どうすっかな。
あいつがあそこでしたってことは
たぶん隠れて誰かが撮ってたってことだよな…
それを売る、か。
やっぱ先に長曽我部さんに言うべきだよな…
「ただいま。」
「あ、おかえりー。」
帰るとリビングに母さんがいた。
「なに、平気なの?」
「うん。テレビ見たかったし~。」
「いいわけになってねーよ。
向こうにもあるだろ。」
「いいじゃない、たまには。」
「いいけど。
俺ちょっと事務所の人と電話してくるから。」
それだけ言って俺は部屋に向かった。