居場所をください。
噂に尾ひれがつきました。
「は!?」
ジャケ写撮影が終わった翌日
私は長曽我部さんに週刊紙の1ページを見せられた。
「なんでキスしてんの!?」
意味不明なんですけども。
なんかの撮影ですか?
この人の彼女は私ですけど。
「よく見ろ。
お前はこの写真見てどう思う?」
「どうって…」
言われてもねぇ…。
「普通に違う女に何してんの?とも思うけど
きっと貴也がしたくてしたわけじゃないんだなぁ
とは思う、かな。」
「なんで?」
「だって、貴也は私とするときは
もっと顔さげて私がしやすいように合わせてくれるけど
これは大橋さん背伸びしてるし。
貴也は目開けたままだし手もそのまま。
私にするときは目は知らないけど
手は必ずどこかに触れてるもん。
腰か、頭か、手か頬に。
だからかな、あんま嫉妬しないや。
演技でしてるときは嫉妬するのにね。」
なんだろう。
でも貴也は私と付き合ってるのに
こういうことをする人じゃない。
何をするにも完璧な人だ。