居場所をください。



「はー、そろそろ行くか。」


入店して一時間

私たちは席を立った。


「おい、めがね。」


「あぁ…。」


どうせまた笑われるけど

まぁいいや。


「…やっぱ、笑わずにはいられねーな。」


「うるさいよ!」


私はお財布を出して会計へ向かう。

その後ろを笑いながらついてくる亜樹。


まったく、失礼だな。本当に。



そして私が会計で伝票を置く。

そのあとすぐ後ろから出てきた諭吉さん。


「え?」


「本当に女に奢らせたら

情けねーよ。」


「…別にいいのに。

私稼いでるし。」


「黙って奢られとけ。」


はは、相変わらず優しいね。


「じゃあお言葉に甘えて。

ありがと。」


「おう。」


こうやって奢ってもらうの

長曽我部さんと佐藤さん以外だと

かなり久しぶりだ。



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