居場所をください。
「……………俺パス。」
「は!?なんでだよ亜樹!」
……………うるせーな、颯太は相変わらず。
「俺、美鈴と会うの禁止されてるし。
俺がいたら美鈴と会えねーけどいいわけ?」
「それは無理だ。」
こういうときは冷静かよ。
「でもなんでだめなわけ?
熱愛報道はいとこだからって否定するんだろ?
別にいいじゃん。」
悠斗が言った。
「……………まぁ、理由は聞いてねーけど
たぶん…」
「………前のことか?」
「だろうな。
美鈴のマネージャーは心配なんだろ。」
「前のことって?」
「あぁ、颯太たちは高校からだし
亜樹のこと知らねーか。」
「なに。なんかあったの?」
「俺、中学ん時事件起こしてるんだよ。
中3の秋だっけかなー。
人殴って傷害。1年保護観察期間で
去年、やっとそれから解放されたとこ。」
「亜樹が?殴ってパクられるなんて
亜樹らしくねーじゃん。」
「なんで殴ったわけ?」
「……………まぁ、いろいろとな。」
「亜樹にもいろいろあったんだよ。」
岳がそう言うと
二人は空気を読んでそれ以上言わなかった。