居場所をください。




私はリビングからパソコンを持ち、

ダイニングテーブルへ座った。


「こんな時間まで仕事なんて大変ですね。」


「あれ、寝ないの?」


「俺寝付き悪くて…」


「そっか。

仕事って言ってもブログ書くだけだけどね。

書かないと明日言われるから。」


「そうなんですね。」


「あ、そうだ。

小林くんも載せていい?

栞奈には許可もらってたの。

写メ撮ろうと思ったのに忘れちゃったし

後夜祭のやつしかないんだけどね。」


「市川がいいなら俺も大丈夫です。」


「よかった。」


私は温かいほうじ茶を入れて

ブログを書き始めた。


内容は制服のことや今日のスナップ撮影のこと

文化祭、後夜祭でのこと。


書くことと写真が盛りだくさんだ。

…写真の編集作業も。






……………ん?


パソコンに向き合って30分

私は視線を感じて小林くんを見ると

小林くんはこちらをじっと見ていた。


「まだ起きてたの?」


「あ、すみません。

見すぎですか?」


「ううん、いいよ。

どうしたの?」


「いや、なんかスッピン見て

どっかで見たなーと思って。

でも思い出せなくて。」


「あぁ、そんなこと?」



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