居場所をください。



寝室では栞奈の寝息だけが聞こえていた。


起こさないように…起こさないように。

そっとベッドへ入った。



~♪~♪~♪


なのに私のスマホが大音量でなり、

私は急いで電話に出た。


「も、もしもし!誰?」


『なんだよ、俺だよ。』


「あぁ、長曽我部さんか。

なに?」


『ブログ更新すんのおせーよ。』


「え、それだけ?」


『ちげーよ。

明日雑誌の撮影入ったから。

スカートスタイルとパンツスタイルと

両方取りたいんだと。

用意よろしく。』


「あー、はい。」


『そんだけ。おやすみ。』


そういって電話が切れた。


「電話?」


「え!栞奈…起こしたか。

ごめんね。」


「ううん。

小林寝た?」


「さっきまで起きてたから

まだ起きてるんじゃないかな。」


「そっか。

小林、なんで引っ越しちゃうの?

美鈴ちゃんは知ってるんでしょ?」


眠そうな声で聞いてくる。


「…それは小林くんから聞きなよ。

絶対話してくれるから。」


「……………うん。」


「大丈夫。

栞奈をおいていったりはしないよ。」


「うん。ありがと。」


「寝よ。私も寝るし。」


「うん、おやすみ。」


「おやすみ。」



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