居場所をください。



「よし、支度しろ。

服はこれな。」


「へー、ワンピース。しかも赤。」


上半身はピタッとしてるけど

スカートはふんわりしてて

スタイルよく見えそう。

これに白のカーディガンか。

上品だね。


「父さんから。」


「え、社長?

じゃあ豪華ディナーって社長が?」


「美鈴と飯行きたいって言ってたからな。

美鈴の希望通り肉だよ。」


「やったね!

髪の毛は長曽我部さんやってね。」


「さすがの俺でも女の髪の毛はいじれねーよ。」


「そうなの?

ってかさすがの俺って。」


「早くしろよ。」


「はいはい。」


仕方ないから私は部屋に行き、

着替えとメイクとヘアメイクを済ませた。


ヘアメイクといっても

緩く巻いてビジューのついたバレッタで

ハーフアップにまとめるだけ。

文化祭の時と同じなのに

佐々木さんとは違う仕上がりだ。



ま、いいよね。



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