居場所をください。



「……………なんかマスコミいない?」


「あぁ、貴也がまた撮られたからな。

だから美鈴を俺のマンションに呼んだってのもある。」


「…ふーん。

でももう私のとこには来ないよ。

破局が定着してるもん。」


「けど万が一があるだろ。

美鈴は一番後ろに座ってろ。

毛布あるからそれで隠れろ。

社長が乗り込むときに美鈴が見えたら厄介だから。」


「はーい。」


私は言われた通り毛布で下に隠れた。

そしてそのあとすぐ車が止まった。


「俺父さん呼んでくるから。

美鈴はここでじっとしてろよ。」


長曽我部さんはそれだけ言うと

車から降りていった。



…せっかくかわいい服なのに。

なにしてんだろ、私。


貴也は相変わらず大橋さんと会ってるのか。

私にはなんの音沙汰もないのにね。


……………決めたことだけど

やっぱり辛いよ。



< 1,574 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop