居場所をください。
「泣いてたけど。」
何も言わない松野貴也に俺が言った。
「誰。」
「美鈴の友達。」
瑠樹が言った。
友達っつーかいとこだけど。
「寂しいって泣いてた。
なんにも言ってくれないしって
不安になってたけど。」
「なんで美鈴になんにも言わねーんだよ。」
俺と瑠樹が言った。
「……美鈴の親のことどのくらい知ってるのかしらねーけど「全部知ってる。」
「あぁ、亜樹は知ってるか。
俺はしらねーけど。」
瑠樹が言った。
「俺の母親も美鈴の母親と一緒だから。
俺が言ったらあいつも思い出すだろ。」
……じゃあこいつの母親も病気で…
もうすぐ、ってことか。
で、こいつは看病してるってとこか。
「そういうことか。納得。
でもそれ、あいつは知らねーんだろ?」
「事務所から聞いてる。
俺からは言ってねーけど。」
「なるほどな。
だからあいつも理解してお前を待ってんのか。」
「亜樹ばっか知っててずるい~。」
「颯太は黙ってろ。」
空気読め。