居場所をください。
電話を切ってすぐ、ひかるくんから電話が来た。
『で、どこにいるんだよ。』
「あぁ、忘れてた。
俺んち近くのファミレス。」
『あそこか。了解。』
それだけいって電話が切れた。
文句言わずに迎えに来てくれるところは
相変わらずだよな。
ガキの頃から優しくて頼りになるひかるくんが
俺はすげー好きだった。憧れだった。
今じゃ美鈴のマネージャーか。
「美鈴には言わねー方がいいんだよな?」
「だな。」
「あ、これ金。
払っといて。」
「おう。」
こいつらは一体何時までいる気なんだ?
移動すりゃいいのに。
「亜樹。」
「あ、迎えさんきゅ。」
ひかるくんがすぐに来た。
「近いのにわざわざ俺を呼んだ理由は?」
「あれ。」
俺は松野貴也を指差した。
「……なるほどな。」
そういってひかるくんは
松野貴也のところへ行った。