居場所をください。



「美鈴~。貴也また大橋と会ってた。」


帰るなり、ひかるくんがいきなり言った。


「はは、いい加減にしろだね。」


「そうだな~。」


「ひかるくん。」


「なに?」


「言っちゃっていいわけ?」


「あぁ、別にいいよ。

美鈴これから強めの失恋の曲書かなきゃだし

そういう感情は利用させてもらう。」


「へー、けっこうひどいんだな。」


「あいつらが付き合うのは

それが条件だからな。

利用させてもらうって。


おかげで美鈴の仕事も順調だよ。」


……………本当にひどいな。

どこまで仕事人間なんだよ。


「兄貴としてはあんなやつ

さっさとやめればいいのにって思うけどな。」


少し儚くひかるくんが言った。


「……どんだけ妹想いなんだよ。」


「うるせーよ。」



< 1,621 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop