居場所をください。
「美鈴~。貴也また大橋と会ってた。」
帰るなり、ひかるくんがいきなり言った。
「はは、いい加減にしろだね。」
「そうだな~。」
「ひかるくん。」
「なに?」
「言っちゃっていいわけ?」
「あぁ、別にいいよ。
美鈴これから強めの失恋の曲書かなきゃだし
そういう感情は利用させてもらう。」
「へー、けっこうひどいんだな。」
「あいつらが付き合うのは
それが条件だからな。
利用させてもらうって。
おかげで美鈴の仕事も順調だよ。」
……………本当にひどいな。
どこまで仕事人間なんだよ。
「兄貴としてはあんなやつ
さっさとやめればいいのにって思うけどな。」
少し儚くひかるくんが言った。
「……どんだけ妹想いなんだよ。」
「うるせーよ。」