居場所をください。
俺が風呂から出ると
もうすぐ0時になるというのに
親父もひかるくんも美鈴も
パソコンに向かって何かしていた。
「亜樹、ご飯は?」
「食ってきた。」
いつも通りなのは母さんだけ。
「あ、亜樹出たんだ。
お風呂上がりとか変な感じ~。」
「美鈴、先に書け。」
「はーい。」
……………全員仕事モードなわけね。
「あ、亜樹。
その布団部屋に運んでくれる?」
母さんがソファでテレビでも見ようかと思った俺に
面倒な仕事を頼んできた。
「俺かよ。」
「他にいないでしょ?」
ただこの家の権力者である母さんに歯向かうほど
俺もバカではない。
「はいはい。」
つーかなんで俺の部屋?
2階だし遠いわ。
……………重いし。