居場所をください。



それから音楽も電気も消して

やっと寝る……はずが全く寝れない。


やっぱ意識してんのか?俺。

もう30分もたったのにな。


……………満月か。


「起きてる?」


俺が窓の方に寝返りを打つと

美鈴が小さな声で言った。


「寝てる。」


「起きてるじゃん。」


「……………寝ろよ。」


「眠れない。」


「知るか。」


……………俺も寝れねーけどさ。


「ねぇ、亜樹。」


「なに。」


「私がいとこでよかった?」


「はぁ?」


「嫌じゃない?」


「別に嫌ではねーけど。」


「そっか、よかった。

ちょっと不安だったんだ。

長曽我部さんに、

亜樹んちに泊まりにいこうって言われたとき。


私なんか所詮隠し子で

嫌な顔されるかなって思ってたから。

でもおばさんもおじさんも

全然そんなことなくて安心した。」


「ぶっちゃけ、急にいとこなんて言われても

そんな意識はできねーけど。

でも別に嫌じゃねーよ。」


「嬉しい?」


「嬉しい嬉しい。」


「そっかぁ。よかった。」


そういう美鈴の声色はすげー嬉しそうだった。



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