居場所をください。



「やっぱ嬉しいもんなの?

血縁者がいて。」


「当たり前じゃん!

少し前の私だったらありえない状況だもん。

涙出そうなくらい嬉しい。」


「どんだけだよ。」


「亜樹にはわかんないよ。」


「……………そうだな。」


「むかつく。」


「はぁ?」


「でもずっといてね。一緒に。」


「……………お前はもう捨てられねーよ。

誰にも。」


「……うん。」



やっぱ寂しいんだな。こいつ。

ずっと一人で生きてきたんだもんな。

俺にはこいつの苦悩とかわかんねーけど

わかりたいと思った。

一緒にいてやりたいと思った。

恋愛とか友情とかそういうのじゃなくて

純粋に。


「早く寝ろよ。」


「あのさ、」


「なに。」


「交換しない?」


「なにを。」


「ベッドと布団。」


「……………は?」


「布団で寝たことないんだもん。

慣れなくて。

私がベッドがいい。」


「どんなわがままだよ。」


「かわいい私にベッドを譲って。」


「黙れブス。」


「傷ついた。」


「あっそ。」


珍しく真面目に考えてやったのに

こいつなに言い出してんだよ。



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