居場所をください。
「ったく、しかたねーな。」
俺はベッドから布団に移動した。
「ふふ、ありがと。
これで寝られそうー!」
「はいはい。」
……………確かに固い。
まぁいいけど。
「亜樹の匂いするー。」
「嫌なら降りろ。」
「嫌じゃないよ。
今日公園で抱き締められたときも思ったけどいい香り。
なんの香水?」
「これ。」
俺は枕元にあった棚から
香水を取った。
「へー、これか。
私香水って苦手だけど
これなら好きだー。」
「じゃあやるよ、それ。」
「え!いいの?」
「新しいのある。」
「なら新しいのがいい。」
「稼いでるんだから買えよ。」
「買ってきてー。」
「はぁ?」
「もしくはついてきて。」
「……………なんで。」
「どこにあるかわかんないし。
買い方もよくわかんないし。」
なんなんだよ。
世間知らずかよ。ったく。