居場所をください。
「そろそろ始めろよ。」
長曽我部さんの言葉に
私たちは立ち上がった。
「照明は誰がやるの?」
「もうセットしてあるからボタン押すだけ。」
「あ、そうなんだ。」
「美鈴はセリから上がってくるから
とりあえずセリの上立て。
セリ下げるから。」
「はいはーい。」
「つーことで全員スタンバイ。」
長曽我部さんの指示で全員が動く。
私はセリで下がると、
ステージ下にはいつの間にか佐藤さん。
「この瞬間が一番緊張する。」
「大丈夫だよ。」
「佐藤さんはずっとここにいるの?」
「美鈴ちゃんが上がったら移動するよ。
今日は長曽我部さんと客席だけど。」
「そっか、写真お願いね。」
「うん。」
そんな会話をしてると
もう私が登場する場面。
一気に上がるセリ。
ステージに出てすぐ歌い始める私。
3曲くらいまでは歌っては暗くなり…
ただそれを繰り返す。
踊って、歌って、暗くなって、真ん中へ戻る。