居場所をください。
「さーてと、俺は行くわ。
じゃーな、美鈴。」
「うん。またね。」
「そういや、夏音舞台すげー楽しみにしてた。」
「それ今言う?
でも貴也も、握手会来た子誘えば
っていってたし、貴也たぶん夏音のこと
覚えてるよ。かわいい子とも言ってたしね。」
「うわー、それ夏音に言うべき?
夏音、俺の事放置しそう。」
「それは高橋に任せるけど。
夏音の喜ぶ顔見れるならいいじゃん。」
「ま、そうだけど。
じゃーな。」
そういって高橋は去ってった。
「貴也の舞台見に行くの?」
高橋がいなくなるなり、隼也が言った。
「うん。チケットもらったの。
高橋の彼女が貴也のファンだからさ。」
「ふーん。」
「……………なに?」
「いや。
俺らも行こ。」
「うん。」
私たちは結局なにも買わずに外へ出た。