居場所をください。
「美鈴ちゃん!」
長曽我部さんが病室から出てくと
ハルや瞬、ユリ姉、智(さとる)が入ってきた。
「大丈夫か?」
「うん、平気平気。
心配かけてごめんね。
これから歌の練習してこないと。」
「無理すんなよ。」
「大丈夫だよ。
明日もライブするし!
だからみんなも明日のために
ちゃんと休んでよね。」
「でも…その足じゃ…」
ハルが心配そうに私の足を見ていた。
「大丈夫。
足は痛くても声は出るよ。
楽しみにしてくれてる人もいるもん。
やれることはやらなきゃ。」
「……………そうだな。
じゃあ俺らはもう帰るわ。
明日に備えて。」
「瞬…ありがと。
頑張って歌わなきゃ!」
「じゃあゆっくり休めよ。」
「また明日ね。」
智とユリ姉がそう言うと
みんな出ていこうとした。
「ハル!」
「ん?」
「さっき、ありがと。
教えてくれようとしたんでしょ?」
「うん。でも結局なにもできなくてごめんね。」
「ううん。ありがと。」
「また明日ね。」