居場所をください。
いつもなら数分の距離を
10分かけてついたマンション。
「美鈴んちひっさびさだな。
引っ越しのとき以来。」
「そうだね。」
部屋の鍵を開けると
隼也がドアを持っててくれたり
靴を脱ぐと勝手にしまってくれたり
そういうちょっとしたことが本当に助かる。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
荷物も持ってくれるしね。
「なんか飲むー?」
「俺やるから座ってなよ。」
「……ありがと。」
どこまでも紳士だね。
まぁ隼也は元々紳士だけどさ。
「はい、お茶。」
「ありがと。ほんと助かります。」
「はは、いーよ。
こんな風に美鈴とゆっくりすんのも
かなり久しぶりだしな。」
そういって私の隣に座る隼也。
やっぱりこのソファに
貴也以外の人が座るのはまだ慣れない。
左側に誰かがたつのは慣れたのにね。
「隼也、写真撮ろ。」
「ブログ用?」
「SNS用~。」
こうやって隼也と写真とるのも
かなり久しぶりだ。