居場所をください。
貴也side
「よ。」
「なんで俺んちって誰もインターホン押さねーのかな。」
「は?」
「いや。」
「珍しいな。貴也から俺を呼び出すなんて。」
今日は俺から隼也を家に呼んだ。
呼んだのは15時くらいなのに
来たのは21時過ぎ。
「美鈴んちに上がったからかな~。」
わかってんじゃん。
「……こんな時間までいたのかよ。」
「そうだけど。
はい、美鈴から預かりもん。」
隼也の手には俺が長曽我部さんに渡したスープボトル。
きれいに洗われていた。
いつもご丁寧だな。
「ちなみに洗ったの俺。」
「お前かよ。」
「今日は美鈴の付き人だったからな~。」
「部屋にまで上がってんじゃねーよ。」
「美鈴、俺を部屋に呼んだとき
何て言ったと思う?」
「知るか。」
「たまには嫉妬させてやる。
ってさ。
だからわざわざ部屋だとわかる写真を載せたんだよ。」
「……あっそ。」
「嫉妬した?」
「別に。」
「そんなキレてんのに別にって。
嘘ってバレバレ。」
「うるせーよ。」