居場所をください。



「美鈴ちゃーん!!」


ん?

車に乗ろうとしたらいきなり呼ばれた。


「すみません!

出待ちは禁止されていますので……」


「だーから!俺らは友達だっていってるじゃん!」


……………騒がしいなぁ。


「長曽我部さん、いい?」


「無理すんなよ?」


「うん。」


私はそこにいた4人に近づいた。


「美鈴ちゃーん!」


「ですから出待ちは「あ、友達なんで大丈夫ですよ。」


元気な元気な颯太を止めるスタッフさんに近づいて

声をかけた。


「ほらー!友達だって言ってたじゃん!

さっさとあっち行けって!」


「すみません、騒がしくて。

ありがとうございました。」


私がスタッフさんに頭を下げると

スタッフさんは持ち場へ戻った。


「もー、颯太うるさいって。」


「だってぜんっぜん信じてくれねーんだよ!

見た目で判断しすぎだっつーの!」


「だからってさっさと行けなんて言わないの。

あの人も仕事なんだから。」


「はーい、ごめんなさい。」


素直だね。ずいぶん。



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