居場所をください。
マンションの駐車場にクルマを停め、
荷物を持ち、長曽我部さんの部屋へと向かった。
「長曽我部さんは明日も休み?」
「休み。俺は2日から仕事。
ひっさびさに連休。」
「え、そうなの?
ならどっか連れてってほしかったし。
旅行。私今日が初めてだよ。
プライベートで東京から出たの。」
「俺より美鈴のスケジュールがわかんねーからな。
今から探してどっかあれば行ってもいいけど
年末だからなー。しかも年越し。」
「高いところなら」
「そういう日は高いところも埋まるの早いんだよ。
まぁ探してやるけど。」
「ほんと!?」
「キャンセル拾えるかもだしな。」
やったね。
旅行とかずっと憧れてた。
今まで修学旅行とかしかなかったし。
お小遣いがかなり少なかったから
食べ歩きとかお土産買うとかできなかったし
とりあえず日帰りでもいいからどっか行きたい。
長曽我部さんは人混み平気な人だしね。