居場所をください。
……………これ、どうすればいいの?
行っちゃっていいの?
っていうかここでいいの?
……………わからない。
「あ、そこ入っちゃダメだよー。」
私が立ち尽くしていると、
スタッフの方に止められた。
「あの………私松野貴也くんの知り合いで…」
「そういって入ろうとする人たくさんいるからー。」
……………そうかもしれないけどさ。
「さ、お帰りください。」
仕方ないか。
メールしとこ。
「あ、美鈴ちゃん?」
私が帰ろうとしたとき
聞き覚えのある声で呼ばれた。
「あ、佐藤さん。」
貴也のマネージャーさんだ。
「来てくれたんだね。」
「貴也にチケットもらったので…。」
「へー貴也がね…。
貴也に会いに来たんでしょ?
いいよ、入って。
この子、うちの事務所の子だから。」
佐藤さんはスタッフの方にそういって
私を中に招き入れた。