居場所をください。
「今日のことは長曽我部さんは知ってる?」
「はい。
チケットもらった日に言ったので。」
「そっか。
一人できたの?」
「いえ、友達が貴也のファンで
その子を誘ってきました。」
「へー、それはありがたいね。
ここ、貴也の楽屋。」
そういって佐藤さんはドアをノックした。
「美鈴ちゃんがきたぞー。」
「どーぞ。」
中から貴也の声が聞こえて
佐藤さんがドアを開けてくれた。
「じゃ、俺は仕事があるから。
車の用意ができたら呼びに来る。
美鈴ちゃんも乗ってきなよ。」
「はい、ありがとうございます。」
私がお礼を言うと、佐藤さんは出ていった。